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企業の効率的な資金繰りについて

最終更新日 2024年5月14日

効率的な資金繰りを行うためには?

企業が効率的に資金繰りを行なうには、負債や経営権に注意する必要があります。

銀行などの金融機関から資金を借りれば、経営を安定化させることはできますが負債が増えます。

また第三者に対して新株を発行して資金を調達する場合には、基本的に株主が経営権を取得します。

負債が増加したり第三者が経営に関与するようになると、営業活動にも大きな影響を与えます。

まずは負債が増えたり第三者が経営権を取得しない形で資金繰りを行なうのが効率的です。

資金繰りの3種類の方法とは

企業が資金繰りを行なう方法には大きく3種類が存在します。

金融機関などから借り入れを行なう方法はデッド・ファイナンスと呼ばれます。

新株を発行するなどにより投資を募る方法はエクイティ・ファイナンスです。

デット・ファイナンスは負債が増加し、エクイティ・ファイナンスは第三者が経営権を取得する可能性があります。

しかしアセット・ファイナンスであれば負債が増えることも、第三者が経営権を取得することもありません。

アセット・ファイナンスとは、企業が既に所有している資産を売却して資金繰りを行なう方法です。

アセット・ファイナンスにも様々な方法が存在する

まずはアセット・ファイナンスを試してから、デッド・ファイナンスやエクイティ・ファイナンスを行なうと経営への影響を少なくできます。

アセット・ファイナンスにも様々な方法が存在します。

最も基本的なものとしては、不動産など不要となった資産を売却する方法が挙げられます。

不動産や有価証券など企業が所有している資産を現金化すれば、負債を増やさずに資金繰りができます。

一方で営業に使用されている資産を売却する場合もあります。

営業に使用する自動車や不動産、工場の機械や内装設備などを売却すると資金を作ることはできますが営業に支障が出てきます。

リースバックと呼ばれる契約方法

しかし売却後もリース契約を締結して使用を継続する方法があります。

資産の売却後に、買主との間でリース契約を締結する方法はリースバックと呼ばれます。

この方法では従来通り営業を継続しながら資金を調達できます。

ただしリース契約を締結すると毎月の利用料金が発生するので注意が必要です。

リースバックでは資金が貯まった場合に、売却した資産を買い戻すこともできます。

企業は不要な資産を売却することで効率的な資金の調達が可能となります。

不動産などの資産だけでなく、無駄な在庫も早期に処分することで資金を作ることができます。

売却できる可能性のない在庫は、保管しておくだけでも管理コストがかかります。

廃棄処分にするか有償もしくは無償で他社に譲渡して早期に処分すれば、無駄な管理コストをかけずに済みます。

管理コストを節約して作った資金は、他の事業に利用できます。

企業が販売できる資産はさまざま

企業が販売できる資産は不動産などの現物資産だけではありません。

様々な権利を売却することもできます。

例えば営業権や特許、商標、開発権などを売却して資金調達が可能です。

顧客網や代理店のネットワークなども売却対象になります。

多くの企業が売掛債権を売却して資金調達を行なっています。

一般的に企業が取引を行なう場合には、すぐに代金を支払ってもらえるわけではありません。

商品やサービスを提供しても、支払いは数か月先という場合もあります。

売上が大きくても、支払い期限が長いと経営資金が足りなくなる可能性が存在します。

そこで早期に売掛債権を売却して資金を調達します。

ファクタリングで早期に債権を現金化

売掛債権を売却して資金調達を行なう方法は、一般的にファクタリングと呼ばれます。

ファクタリングを行なうためには手数料を支払う必要がありますが、早期に債権を現金化できます。

ますはアセット・ファイナンスを試し、さらに資金が必要な場合にはデッド・ファイナンスやエクイティ・ファイナンスを行なうのが効果的です。

代表的なデッド・ファイナンスの方法としては、国や地方自治体、銀行などからの借り入れを挙げることができます。

特に政府系金融機関や地方公共団体、信用保証協会などからの融資は金利が低いという特徴があります。

政府系金融機関には日本政策金融公庫や商工組合中央金庫が存在します。

地方公共団体の制度融資では都道府県や市区町村によって取扱金融機関の融資が保証されます。

信用保証協会の保証付融資では協会が金融機関の融資を保証します。

金融機関は貸し倒れのリスクを回避できるので、信用力があまり高くない中小企業でも資金調達ができます。

銀行が独自に融資するプロパー融資

信用力が高い企業は、銀行が独自に融資するプロパー融資を利用可能です。

プロパー融資は銀行が貸し倒れリスクを負うので、返済実績など企業の信用力が重要になります。

まずは保証付融資で返済実績を積み、収益性を高めることが必要です。

その他にもビジネスローンや手形割引などの方法で資金調達ができます。

エクイティ・ファイナンスには第三者割当増資や新株予約権の発行、ベンチャー・キャピタルからの出資、事業譲渡などの方法があります。

非上場企業では証券取引所に株式を上場すると、長期的に安定した資金繰りが可能となるのに加えて信用力を高めることもできます。

 

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