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商社とはどのような事業を行っているのか

最終更新日 2024年5月14日

「商社」の業務内容やその特徴について

新聞や雑誌やテレビなどで「商社」の名前を見聞することは日常的に良くあることです。

ことほどさように耳にする業種ですが、実際の業務は何を行っているのか今一具体的イメージを抱きづらいのが正直なところではないでしょうか。

多くの人々では、世界規模で経済活動を行っている巨大企業、程度の認識に止まっているのが現実です。

そこで本稿では「商社」の業務内容やその特徴などについて御紹介しましょう。

そもそも商社とは、輸出入貿易や日本国内での販売を主要な業務に取扱う商業を展開する会社のことを意味しています。

幕末期に活躍した「小栗忠順」と言う御仁が英語の「COMPANY」の訳語に当てたのが嚆矢とされているのです。

大別すると「総合型」と「専門型」に分類することが出来ます。「

総合型」では幅広い分野の商品やサービスを扱っているのが特徴で、取扱う商品も即席めんからミサイルなどの軍事関連機器という様に多岐にわたります。

これに対して「専門型」ではある特定の分野の商品に特化して輸出入貿易をなどを行っている訳です。

海外では専門型が多く、穀物や石油など世界経済の行方を左右する戦略物質や食料などに特化しているのが特徴です。

「総合型」は世界レベルで見ると他に例がなく、日本特有の形態とされています。

業務の中核を担っているのは、多種多様な商品についての卸売業

商社の業務の中核を担っているのは、多種多様な商品についての卸売業になるのです。

具体的には家電メーカーや食品メーカーは生産した商品を販売してその対価をもとに収益をあげることになります。

しかし通常メーカーは小売客に販売するのは得意ではありません。

もちろんメーカー独自の販売を行っている場合もありますが、全体の売上げから見れば微々たるものです。

なぜなら消費者は小売店から商品を購入するのが通常だからです。

メーカーと消費者の間に入って流通の手助けをしている

そこでメーカーと消費者の間に入って流通の手助けをしている訳です。

より具体的に見れば、メーカーから直接商品を買取り、小売店には注文があった数の商品を販売することで、消費者は小売店から商品を購入することが可能になります。

いわばメーカーと小売店のクッションの役割を担っていると言えるでしょう。

モノの輸出入に関する業務を行っている

もう一つ重要なのは、モノの輸出入に関する業務です。

日本はほとんどの地下資源に恵まれず金属や燃料はほぼ輸入に頼っています。

例えば石油は中東諸国から海路タンカーで運搬して、輸入すしなければ日本経済は成り立ちません。

そこで原材料を海外から輸入し、日本国内の製造業に販売することになるのです。

そこでこれらの資源を加工して商品を製造し海外に輸出することで海外に販売することになる訳です。

そこで営業担当者は世界各国を飛び回り、いろいろなものを買付け、同時に日本製品の売り込みなどの営業に奔走しています。

このように一企業でありながら各種の地下資源といった戦略物質の確保を担っているので、日本経済の屋台骨を支える存在とも評価できるのです。

企業に対して融資や投資も行っている

また商社では、企業に対して融資や投資も行っています。

本来ならメーカーは製造した商品が消費者が購入して、メーカーはその代金を受け取ることで売上げが計上されるのが本来の姿です。

しかしこれではメーカーは商品を開発しても販売が叶わないかぎり収益をあげることが出来なくなってしまいます。

ましてや新製品を開発するためには研究開発費などを融通しなければならず、商品の販売されるのを俟っていては事業も成り立ちません。

そこでメーカー側としてはとりあえず販売することが出来るので、消費者に入手されるのを待つまでもなく資金を調達することが出来るわけです。

つまり実際には消費者がメーカーの商品を購入していない場合であっても、メーカーは運転資金を確保することが可能になります。

このように日本の製造業の成長の為に寄与してきた歴史を持っていますが、ありようは時代とともに変化を見せているのも確かです。

バブル崩壊時にはメーカーの原料の輸入代行から海外での販路開拓に至るまで手広く事業を手がけてきました。

景気後退で一時期低迷時代が続きましたは、中国やインドを始めとする新興国の目覚しい経済成長により、再度国際的な資源需要が活発になっています。

同時に世界規模での経済成長は膨大な投資資金を生み出し、株式市場やコモディティ市場への資金流入を呼び込んでいます。

このようなことから金融関連でのトレードも主要な収益源となっており、物を介在する従来のあり方から見れば、事業はより多様さを増していると考えることが出来るでしょう。

このように見ると儲かるチャンスがあれば、何にでも果敢に挑戦する姿勢が見て取れます。

特に稀少で戦略的には重要な地下資源などでは資源獲得を巡って係争が起きている地域も含まれるのは確かです。

そのような危険な地域でも、危険を厭わずに赴きタフな交渉もこなすなど、今日の日本の発展の影には商社の存在を抜きには勝たれないと言えるのです。