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ユニセフさんに聞きたい!アフリカが貧困に苦しむ理由とは?

最終更新日 2024年5月14日

近年、アフリカは急速な経済成長を遂げていますが、まだまだ貧困に苦しんでいる方が数多く存在しているのが現状です。
特に、サブサハラと呼ばれるサハラ砂漠より南に位置する地域は世界で最も貧しい地域と言われており、数多くの方が貧しい生活を余儀なくされています。
世界銀行では、1日あたりの生活費が1.9米ドルを国際貧困ラインと定めているのですが、2015年の統計によると世界人口の約10%がこのライン以下の層に位置しており、そのうちの半数以上がサブサハラに暮らしているとされています。
また、サブサハラの貧困率は41.1%と非常に高くなっていますが、サブサハラの中でも特に人口が多いナイジェリア・エチオピア・コンゴ共和国といった国々の状況は深刻です。
特に、ナイジェリアの貧しさは非常に深刻で、2018年の国連の報告書によると8,000万人以上の方が国際貧困ライン以下の層に位置しているとされています。

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サブサハラ地域に暮らす方が貧しさに苦しむ理由

アフリカの貧困問題

学校教育が不十分である

このように、特にサブサハラ地域に暮らす方の多くは貧しさに苦しんでいますが、その原因は多岐にわたります。
まず挙げられる原因は、学校教育が不十分であることです。
2017年のデータによると、世界には学校に通えない子供たちが6,100万人以上いるとされているのですが、その半数以上がサブサハラに暮らしています。
サブサハラには、そもそも学校がない地域が未だに数多く存在するとともに、治安の悪さが原因で通学できないというケースも少なくありません。
加えて、貧しさから学費を支払えず学業よりも仕事を優先せざるを得ない家庭も多く、十分な教育を受けていない親が多いため教育の重要性が理解されていないという背景もあります。
ユニセフ(国連児童基金)が2016年に発表した世界子供白書2016によると、教育を受ける期間が1年延びるごとに、大人になってからの収入が10%増加するとされていますが、サブサハラでは十分な教育を受けることなく働き始めるケースが非常に多いため、中々貧困から脱却できないのです。

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医療インフラが整っていない

また、医療インフラが整っていないのも原因のひとつです。
現在、アフリカではHIV・下水道感染症・下痢性疾患・マラリア・脳卒中といった病気が死亡原因の上位を占めています。
上位を占めている死因の多くが感染症となっていますが、その中には適切な治療を受ければ完治したり、十分な対策を講じれば予防できたりするものも少なくありません。
しかし、サブサハラ地域は病院や医師の数が人口に対して少ないという問題があります。
感染症を発症しても満足な治療を受けられない方が非常に多く、病気が原因で働けないために収入が増やせないという方が少なくないのです。

食料不足に陥っている

加えて、食料不足に陥っているのも貧しさから脱却できない要因です。
アフリカの中には、気候変動の激しさや地球温暖化の影響によって、農作物が満足に育たない地域も少なくありません。
満足な食事が得られないことから、重度の栄養失調に陥る子供たちが数多く存在しています。
栄養失調は、病気のリスクを高めるとともに、身体や知能の発達を遅らせる要因にもなります。
その結果、学校に入学しても、人の話が理解できなかったり集中力が持続しなかったりするのが原因で中退してしまう子どもたちも珍しくありません。

内戦や紛争が長引いている

さらに、内戦や紛争が長引いているのも貧しさの原因となっています。
そもそもアフリカは、古くから西ヨーロッパ諸国の植民地にされてきた地域で、第二次世界大戦後はアメリカとソ連の代理戦争が各地で行われてきました。
また、アフリカ大陸の国境は基本的に民族をベースに引かれたものではなく、植民地時代に適当に引かれたものであるため、現在も民族紛争が続いている地域もあります。
このような地域では、戦闘員として紛争に参加している15歳未満の子供たちも非常に多く、近年はテロ組織の存在も大きな問題になっています。
内戦や紛争が続くと治安がどんどん悪化していくため、中々貧しさから抜け出すことができないのです。

蔓延する汚職

加えて、蔓延する汚職も経済格差を生んでいる要因とされています。
権力者や公職者による汚職が公然と行われている国が多く、私的な利益を得たり罰則を逃れたりするための汚職が頻繁に行われていると言われています。
特に、警察組織の汚職問題は深刻で、各国政府も中々効果的な手段を講じることができていません。
汚職が蔓延している限り、公平な経済競争が生まれず、強い権力を持つ人はさらに強くなり、その他大勢の一般市民は貧しい暮らしを余儀なくされ、経済格差はどんどん広がっていきます。
また、国際的な支援を受けても汚職によって不正に使われてしまい、貧しさに苦しむ方までお金が届かないという現実もあります。

まとめ

以上がアフリカが貧しさに苦しんでいる主な原因となります。
現在、世界各国の様々な団体が貧困問題を解決するための活動を行っていますが、その問題解決には資金も人材も足りていないのが現状です。