最終更新日 2024年5月14日
日本ユニセフ協会は、ユニセフへの寄付募集や広報、啓蒙を実施している民間団体です。
誤解されがちですがユニセフの支部というわけではなく、あくまで協力協定を結んでいる間柄に過ぎません。
ユニセフ本部の1つとしては、ユニセフ東京事務所があり、こちらが正式な出先機関となります。
ただ、この2者は共同で活動やSNSの運営などを行っており、極めて密接な関係を保っています。
日本ユニセフ協会は、関わり合いのある人物などの言動が注目されることがしばしばあります。
しかし、ユニセフとしての本来の目的は、途上国の子どもたちに対する直接的な支援です。
日本においても戦後の厳しい時期に支援を受けていたこともあります。
それへの礼状を書くため、1949年に人員を集めたのが、日本ユニセフ協会の始まりです。
以降、1955年に財団法人となり、正式にユニセフの承認を受けたのが1977年と、比較的新しい組織といえます。
同時に、2003年には本部に拠出した寄付金が1億ドルにのぼるなど、その貢献は目覚ましいものです。
2011年には内閣府からの認定も受け、公益財団法人となるなど、確固たる地位を築いています。
子どもの地位向上への働きかけも行っている
こうした寄付の啓蒙の他に、子どもの地位向上への働きかけも行っています。
にもかかわらず、あまりイメージを持たれていないのは、寄付金の取り扱いに関する認知が一因です。
日本ユニセフ協会が集めた善意のお金は、その全額が寄付に回されるわけではありません。
確かにそれだけ耳にすると、印象を損ねるのも当然といえます。
しかし、運動を維持していくのには、必ずお金が必要であり、それがなければ寄付を呼びかけることもできません。
人件費や光熱費などの経費は常に発生して、それを支払うこともまた、社会における常識です。
そもそもボランティアとは志願という意味合いがあり、無償という意味は含まれていません。
こうした認識の違いが、批判へとつながっていることも確かです。
本部が定めた協定では、活動を実施する際の費用は、最大で募金の25パーセントに収めるよう指示されています。
また、直接ユニセフ本部へ寄付金を送る窓口を設ける向きもありますが、これにはある問題が生じます。
日本ユニセフ協会は寄付金控除が認められていますが、直接寄付にはそのような優遇措置がありません。
協会の運営費を避けても、所得税率のほうが結果的に高くなることも考えられますから、注意が必要です。
正しい理解に基づいて、必要な支援の手を差し伸べていきましょう。